子ども達が見て触って食べてと、体験の中から「自然と子ども自身が学べる」食育を実施しています。
美味しい給食を食べる。教えるより体験する。見えないところに気を使う。
大切にすることはいくらでもありますが、特にこの3つを大切にしています。
食事
食事は生きることの基本です。給食は子ども達がまずはおいしく。そして、十分に栄養のとれることを大切にしています。「ごはんっておいしいな」「食べることって楽しいな」そんな気持ちが芽生えることから、全てが始まって行くと考えています。そのために出来合いのものを避け、手づくりの温かい食事を大切にしています。また、おやつも週3回手づくりするなど、こだわりをもって取り組んでいます。農園で採れたお米で作った米粉蒸しパンや、こども達が収穫してきたサツマイモを使ったスイートポテトなどの手づくりのお菓子は子ども達に大人気です。
食材
自然なもの、自然な味を大切にしています。
農園で採れた季節ごとの有機野菜、地域の農家さんと協力しながらつくっているコシヒカリや古代米を給食に活かしています。
近年では調味料にも思うところがあり、塩や砂糖などの製法や素材の違いにも目を向け、段階的に取り入れているところです。伊豆大島で塩づくりに取り組んでいる「OHSHIMA OCEAN SALT」の阪本さんともお会いすることが出来たおかげで、にがりの大切さや現代の塩の歪さなども学ぶこともでき、これからの食育に活かしていきたいと考えています。
また、以前からお付き合いもあり、真岡で唯一無農薬野菜の個人宅配をしている「まんまる農園」の丸山さんに手づくり味噌の指導をしてもらうなど、可能な限りこども達が本物に出会える機会をつくりたいと常々考えています。
味覚
味をキャッチする味蕾という細胞。幼児期から小学校に掛けて発達し、あとは退化し、同時に味覚も徐々に鈍化していきます。つまり、この時期にどのような素材をどのような味付けで食べていたかが一生の財産になります。
味蕾は刺激を受け、発達することで、繊細な味の違いが分かるように成長します。しかし、味蕾は化学調味料ではなく、自然の食材でのみ発達すると言われています。そのため、農園で採れた野菜を中心に、自然な味を感じられる薄味を大切にしています。
農園
散歩で行ける範囲にサッカーコートくらいの大きさの農園があります。
こども達の給食に活かしているだけでなく、散歩の途中に出来立てのミニトマトを自分で採って食べたり、土いじりの延長でサツマイモを掘っておやつにスイートポテトにしてもらったりと、体験型の保育実践の場として活用しています。
また、コシヒカリと黒米、季節ごとの有機野菜を30種類以上つくっており、コシヒカリも100袋以上収穫でき、こども達が食べるお米は全て園で採れたものです。
田んぼの管理や様々なアドバイスをしていただいている宮澤さんを始め、散歩でよく行く増山牧場さんの有機肥料などの協力もあり、こども達の為に素人同然で始まった農園も、今では保育にとって欠かせない場所となりました。
厨房
栄養士と調理員を直接雇用することで、保育施設での食育や農園に興味をもっている人を雇っています。
自分たちで献立を考え、自分たちで収穫に行き、自分たちで調理しています。給食とおやつの提供が主ですが、できる範囲で農園に子ども達と収穫にいったり、給食を一緒に食べたりするなど、子ども達が身近に感じる距離感で食育を支えています。顔も知らない相手のご飯を作るなんて幼稚園や保育園として相応しいと私には思えません。厨房も保育者の一人としてこども達と関わるのが東園の厨房です。
動植物を育てる
農園とは別に、園内に子ども達専用の畑があり、ミニトマトやピーマン、オクラなどを子どもたち自身が育てています。自分たちで育て収穫した野菜は格別な味のようです。また、ニワトリを飼育しており、エサやりや掃除などを通して生き物に対する学びの機会としています。その日にとれた卵を厨房に持っていく子ども達の姿は喜びに満ち満ちています。