東園の保育

自由保育と一斉保育のバランスと、それを支える繋がる保育が東園の保育の基幹です。

  • 自由保育だけど、時間や場所など、お約束事は決まっている。
  • 一斉保育だけど、何で遊ぶかなど、自分で選択できるゆとりがある。

時代によって主流かそうでないかの違いはありますが、どちらも大切なものを学べる保育の手法です。そのバランスを考えて保育を組み立てていきます。どちらにしても自分で決めて自分で守ることを大切にしています。どのような考え方で保育しているのか分かることは、利用者の利益に繋がると思いますので、要点を説明しておきます。

自己愛を育む保育(自由保育)

何度壊れても新しく作っている泥団子。
何度上手くできなくても作り直している車の工作。
何度失敗してもやり続けている雲梯。

誰に言われるまでもなく、考え、学び、成長している瞬間のこどもの姿。
上手くなりたい、勝ちたい、満足したい…という自分のためだけの力強いエネルギー。
それが自分への自信。自分で自分を好きと思える、人として大切な自己肯定感に繋がります。

  • その子にあった何かに出会える多様性のある体験。
  • 大人の価値観で子供の発想を一方的に押し付けないゆとり。
  • こどものやっていることを認め、見守る距離感。

このような大人の心もちが必要になります。そして、それが東園の保育です。そのため、保育者同士でこどもの発達段階、どんなことをつぶやいていたか、どんな様子で遊んでいたか等、こどもが発する大小さまざまなメッセージについてよく語られています。そして、そのメッセージが次の保育のカギになっています。

大人も子供も○○しなければならない。となってしまっては育まれないものです。
人としての原点なので、どの年齢にとっても大切ですが、特に0~3歳児にとって大切な保育となります。

調和を学ぶ保育(一斉保育)

友達と一緒だから楽しい。
自分より小さい子がいるから丁寧にやる。
今はみんなと一緒にご飯を食べる時間。
もう一度遊びたいなら、並んで待つ。

家族と言う「個」ではなく、「集団」だからこその学び。 幼稚園・保育園の生活において他では得難い体験と言うのはこれに尽きるかもしれません。社交界デビューとは言ったものです。

こども同士で過ごす生活の中で、保育者は友達がどう感じているのかを代弁するなどして、目に見えないものを橋渡し、相手の気持ちに目を向け、自分以外のことも考えるモデルになっていきます。また、暴力や嘘など、人としてダメなものはダメであることも学んでいきます。時には保育者は明確で明瞭なかかわりが求められるため、昔ながらの教師像に近い保育と言えるかもしれません。

こども達への確かな愛情とその保育をしている確かな根拠がなくては成立しないものです。
特に記憶力や思考力が発達してくる、4~5歳児にとって大切な保育になってきます。

繋がる保育

全ての保育が他の保育の土台となるように入園から卒園まで繋げていく保育です。
例えば、東園は運動会で年長児が鼓笛隊を行いますが、運動会直前でいきなり練習が始まるわけではありません。年少・年中の頃から手作り楽器で演奏して遊んでいたり、人前で披露して遊んでいたりと、その前段階としての保育がいくつもあり、運動会まで繋いでいきます。例えて言うなら、大きな壁をそのまま登らせずに、階段で壁を登って行くイメージ。丁寧さや計画性、根気によって、その階段をつくっていくのが繋がる保育です。
私たちは鼓笛が上手にできることだけに目を向けるのでなく、鼓笛を演奏するまでに至ったこども達の日常と言う道のりを大切に見つめます。

東園の日常